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buoy×海洋プラゴミアップサイクル学習会 開催レポート

海洋プラゴミが人と人の輪をつなぐ!?
海洋プラゴミが人と人の輪をつなぐ!?

海洋プラゴミが人と人の輪をつなぐ!?


こんにちは。

鹿児島県の離島、屋久島で活動しているNPO法人うお泊屋久島の代表理事・中島遼と申します。

 

あなたはビーチクリーン(海岸清掃)をしたことがありますか?

 

「良い活動だよね。でも、やってもやってもまたゴミが漂着するからキリがないよね。個人で継続するのは大変そうだし、一時的な解決でしかないから、本当にやる意味があるのかな?」

私も始めはそう思っていました。

 

それでも漁師の暮らし体験宿ふくの木で「ビーチクリーン体験」を掲載し始めたのは、単なる観光で泊まりに来る人だけではなく、地域課題に関心のある人と繋がり、一緒にその課題について考えてみたかったからです。確かに、個人や一事業者でできることには限りがあるし、体験の中で拾えるゴミの量はほんの一部です。しかし、この体験を申し込んでくれたゲストと一緒にビーチクリーンをして、掲載して良かったなと感じました。まずは実際に自分で体験してみることで、どこにどんなゴミがどのくらいあるのかを体感を持って知ることができ、それをどう感じたか、これから自分にできることは何があるか、将来的にどうなっていったら嬉しいと感じるかなどを共有する時間を持てたことが何より良かったなと思っています。

 


 

うお泊屋久島でも何かしらビーチクリーンを絡めた体験プログラムの提供ができないかと考えていたところ、宮之浦で自然食品を扱う椿商店の店主・内室紀子さんから「実は海洋プラゴミのアップサイクルに取り組む『株式会社テクノラボ』さんに問い合わせをしたところで、うお泊と一緒に何かできることがあれば良いですね!」という連絡をもらい、そこからトントン拍子で話が進み、林社長を屋久島へ招いて、海洋プラスチックのアップサイクルについての学習会を実施することになりました。 

 


 

当日はダイビングやシュノーケルそして、山や川のガイド、宿泊施設のオーナー、ライフセーバー、土産物店の経営者、デザイナー、環境省職員、屋久島町議員など多種多様な業種の方々が集まり、アップサイクルのワークショップ体験、クリーンサポートセンター(屋久島町のゴミの最終処分場)の見学とゴミの分別指導、一湊海水浴場でビーチクリーン指導とゴミの現状視察を通して、それぞれが海洋ゴミに対して普段感じていること、今後取り組んでいきたいことや思いを共有しました。 

 

 


私がこの学習会を実施して感じたことは大きく3つあります。

・さまざまな事業者や団体が海洋ゴミ問題に高い関心を持っており、今後も連携しながら課題解決へ向けた取り組みを行なっていける可能性があることが分かった。

 

・環境問題の普及啓発ツールの1つとして体験プログラムに取り入れることと、根本的なゴミ問題解決へ向けた仕組み作りは切り離して考え、取り組んで行く必要があること。

 

・体験プログラムに取り入れる際は単なる体験に留めず、参加者へ課題の背景をきちんと伝えること、アップサイクルした物に込められたメッセージをきちんと伝えていくことが必要なのでは。そうすることで、さまざまな教育プログラムや修学旅行などに取り入れられる可能性がある。

 

今後はこの学習会を通して繋がった方との連携はもちろん、さらに多くの方々の協力を得ながら、おいしく・楽しく・分かりやすく、うお泊らしく、少しずつ課題解決に近づけていけると良いなと思っています。 

 


 

 


編集後記


 

 世の中にはいろんな規模の循環があります。屋久島には、山間部では年間1万ミリとも言われる雨が降ります。その水は、森を潤し、沢、川を流れ、海へと返ります。この循環する水がきれいに保たれるかどうかは、人の行い次第です。

 

海洋プラゴミの存在は、屋久島の周りを取り囲む海もまた広い世界の中で循環していることを知らせてくれます。”プラスチックが悪いのではない”林社長の言葉は、屋久島が世界と繋がる海がきれいに保たれるかどうかもまた人の行い次第であるということを教えてくれました。

 

これからも色んな方々の助けを借ながら、屋久島の仲間とともにできる一歩を踏み出して続けていきたいと思います。

 

「わたくしたちは、島づくりの指標として、いつでもどこでもおいしい水が飲め、人々が感動を得られるような、水環境の保全と創造につとめ、そのことによって屋久島の価値を問いつづけます。」(屋久島憲章 条文1より。)

 

うお泊屋久島 編集長  ささっちょ
うお泊屋久島 編集長 ささっちょ


うお泊屋久島ってどんな団体?


うお泊(うおはく)とは?

うお=魚 + 泊=宿泊などの体験プログラム、また港を意味する

上記を組み合わせた造語です。

 

どんな仲間たちがいるの?

屋久島で魚を扱う事業者や、

海や川などの水辺で活動する事業者が主なメンバーです。

また鹿児島本土の事業者もいます。

漁師の暮らし体験宿ふくの木 

遊漁船さかなのもり/えびす丸 

(以下あいうえお順)

くんせい屋けい水産 

島結レーベル 

屋久島アウトドアガイド島結

屋久島シェアホステルみなと 

レストランパノラマ

NPO法人くすの木自然館 

 

わたしたちの活動が目指していることについて

この法人は、地域住民や来島者など幅広い層の人々に対し、泳いでいる魚が食卓にあがるまでのストーリーをおいしく・楽しく・分かりやすく伝えることで、魚を育て人々の暮らしを豊かにする自然環境を大切にする心を育み、生産者と消費者、海や魚と地域住民・旅人などを繋ぎ、双方が喜びを分かち合えるような社会をつくることを目指して活動をしています。

 

うお泊屋久島との協働・共催企画のご相談はお気軽にご連絡ください。