![安房保育園×うお泊屋久島イベント【未就学児編】開会のシーン](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/dimension=910x10000:format=jpg/path/sf8b6b70d468f1721/image/i6684bd6f787698f8/version/1679880637/%E5%AE%89%E6%88%BF%E4%BF%9D%E8%82%B2%E5%9C%92-%E3%81%86%E3%81%8A%E6%B3%8A%E5%B1%8B%E4%B9%85%E5%B3%B6%E3%82%A4%E3%83%99%E3%83%B3%E3%83%88-%E6%9C%AA%E5%B0%B1%E5%AD%A6%E5%85%90%E7%B7%A8-%E9%96%8B%E4%BC%9A%E3%81%AE%E3%82%B7%E3%83%BC%E3%83%B3.jpg)
こんにちは。
鹿児島県の離島、屋久島で活動しているNPO法人うお泊屋久島の代表理事・中島遼と申します。
今回、うお泊屋久島の活動の中からご紹介するのは、屋久島の安房保育園で行った「未就学児のうお学」です。そもそも、なぜ島の子どもたちにこのイベントを企画しようと思ったのか、まずはその思いをお伝えさせてください。
屋久島は世界自然遺産に登録されるほど豊かな自然があり、九州最高峰の宮浦岳をはじめとする2,000メートル級の山が連なっています。日本一と言われるほどの降水量で、豊富な水が山をつたって川となり、私たちが住む里を通り、海へと流れていきます。山、川、海のどれもが美しく、自然の中で遊ぶ場所に困ることがありません。そして山の幸、海の幸とたくさんの自然の恵みをいただきながら、里の私たちは暮らしています。
屋久島で生まれ育った子どもたちにとって、世界自然遺産の自然が育んだ魚はどんな存在なのか。中には釣りが好きで、自分で釣って食べるという子もいます。けれど、屋久島で生まれ育ったが「島の魚の食べ方が分からない」人や、水揚げ量日本一のトビウオを「自分でさばいて食べたことがない」人もいます。都会から屋久島に移住して、初めて自分でまともに魚をさばくようになり、海の恵みを身近に感じられるようになった私にとって、それは衝撃的な言葉でした。
暮らしと自然が切り離されているような感覚を都会で感じてきましたが、もしかしたら屋久島でも少しずつその関係性が希薄になっている部分があるのかもしれない。それなら私たちが得意な魚を使って、島の子どもたちに命の大切さ、その命を育む様々な生き物を含めた自然環境の大切さを伝えることができないか。そう思い、企画したのが「未就学児のうお学」です。
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2022年度は秋冬と2回のイベントを実施しました。講師をお願いしたのはお魚マイスターアドバイザー、お魚かたりべ、漁業士といくつもの魚の資格を持ち、島内外で活躍される川東繭右さん。秋はお魚クイズと、魚に触れ、観察して、スケッチするというプログラム。丸ごとの魚を見る機会が少ない子どもたちも、はじめは怖がりながらも手を伸ばし、鱗の硬さや体表のぬめりの感触、呼吸をするためのエラの位置を確かめたり、口の中にどんな歯が生えているのか覗き込んだり、背びれや尾びれを広げる、目を突つくなど、じっくりと触れて観察していました。
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第2回となる冬のプログラムはカンパチの解体ショー。
同じく講師は繭右さんをお呼びし、魚さばきを担当したのは島結レーベルの笹川美貴さん。カンパチはなぜカンパチという名前なのか、どんな特徴のある魚なのか、クイズを交えた生態説明から始まり、園児たちの目の前で包丁を入れ、頭を落とし、綺麗に3枚にさばきました。「私たちが食べているものは生き物で、命をもらって生きている。だからいただきますと言うんだよ」と話してくれた繭右さん。子どもたちは真剣な表情で繭右さんの言葉を受け止めていました。
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後日、とある園児のお母さんからメッセージをいただきました。
「解体ショーのことを娘が大喜びで教えてくれました。心をこめていただきますってするんだよと、食事の際にいつも教えてくれます。いただきますしないと、ダメでしょ!と厳しく言うぐらい、心に響いたんだと思います。貴重な体験をありがとうございました」
私たちの思いが伝わったんだと分かり、とてもうれしい瞬間でした。
今後もさまざまな「泳いでいる魚が食卓にあがるまでのストーリー」を子どもたちに伝えていきたいと思っています。
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安房保育園の園児たちの作品紹介
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編集後記
先日、歯の治療へ行ったら、歯科衛生士さんがこんな話をしてくれました。
「ミカンの香りのする歯のお薬を塗ったら、子どもたちに何の味がする?」って聞くんです。「子どもたちは、ブドウとかメロンとか、みんな違うこというの。面白いですよね。」僕が「子どもたちが感じることは、みんなそれぞれですからね。」というと、「そう!みんな違っていいの。だから、みんなに正解!って言ってるの。だって、そう感じるんだから、仕方ないのよね。笑」
実は、自分もグレープフルーツと答えました。笑
感じ方はそれぞれ。園児たちには、これからも色んな体験をして、園児それぞれが色んなことを感じてもらいたい。今すぐに何かが変わることはないかもしれないけれど、きっと成長する過程で、園児たちの成長の糧となってくれると信じています。
そんな園児たちにとって、貴重な体験をうお泊屋久島は届けている。
うお泊屋久島が、できることはもっとある。そう信じています。
![うお泊屋久島 編集長 ささっちょ](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/dimension=254x10000:format=jpg/path/sf8b6b70d468f1721/image/ie459754e62b99a50/version/1679822696/%E3%81%86%E3%81%8A%E6%B3%8A%E5%B1%8B%E4%B9%85%E5%B3%B6-%E7%B7%A8%E9%9B%86%E9%95%B7-%E3%81%95%E3%81%95%E3%81%A3%E3%81%A1%E3%82%87.jpg)
うお泊屋久島ってどんな団体?
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うお泊(うおはく)とは?
うお=魚 + 泊=宿泊などの体験プログラム、また港を意味する
上記を組み合わせた造語です。
どんな仲間たちがいるの?
屋久島で魚を扱う事業者や、
海や川などの水辺で活動する事業者が主なメンバーです。
また鹿児島本土の事業者もいます。
(以下あいうえお順)
わたしたちの活動が目指していることについて
この法人は、地域住民や来島者など幅広い層の人々に対し、泳いでいる魚が食卓にあがるまでのストーリーをおいしく・楽しく・分かりやすく伝えることで、魚を育て人々の暮らしを豊かにする自然環境を大切にする心を育み、生産者と消費者、海や魚と地域住民・旅人などを繋ぎ、双方が喜びを分かち合えるような社会をつくることを目指して活動をしています。
うお泊屋久島との協働・共催企画のご相談はお気軽にご連絡ください。