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レストランパノラマ×うお学イベント【島民向け】開催レポート

ホテルのシェフもご参加されて、料理談義に花が咲いていました。
ホテルのシェフもご参加されて、料理談義に花が咲いていました。

「泳いでいる魚が食卓にあがるまでのストーリー」が食卓を豊かにする


こんにちは。

鹿児島県の離島、屋久島で活動しているNPO法人うお泊屋久島の代表理事・中島遼と申します。

 

うお泊屋久島には、海や魚に関わるさまざまなスキルを持った個性豊かな事業者がいます。個性が豊かすぎて、全員が集まって話し合うと話をまとめるのが大変だったり、各々が勝手に話し出して盛り上がり、会議が先に進まないという場面もありますが(笑)この個性の豊かさこそが、屋久島の自然と人の多様性のように、団体の1つの特徴であり、強みだと思っています。中でも「魚をとびっきりおいしく美しく料理へと変身させることができる、一流のシェフがいること」は、うお泊の大きな強みの1つです。

 


屋久島の玄関口である宮之浦港から徒歩約15分のところにある「レストランパノラマ」は、築50年の商店を改装したレストランです。店内に入るとまず、オープンなアイランドキッチンが目に入ります。うお泊の一員でもある店主の藤森敏宏さん(以下トシさん)の個人的な第一印象は、どちらかというと寡黙でクールな方でしたが、仮装が好きだったり、現在1歳の私の息子を一生懸命あやそうとしてくれたり、電子機器が苦手だったりと、お茶目(?)な一面もあります。そんなトシさんの料理は、何度食べても毎回感動するほど、本当に美しくおいしいのです。私がパノラマ夫婦をうお泊に誘った理由も、このレストランの大ファンだったからです。

 

漁師の暮らし体験宿ふくの木では、魚を一緒にさばいて食べる体験を提供しており、刺身やあら汁の他にも魚種によっていくつかのメニューを調理してもらいます。新鮮な地魚は素材の味が素晴らしいので、切るだけ、焼くだけ、煮るだけといったシンプルな調理でも十分においしく食べてもらっています。しかしうお泊の活動では、ふくの木だけではできないこと、ふくの木とは別の魚の価値の高め方を探りたいと思い、プロのシェフにも加わってもらいました。

 


2022年11月に「屋久島の魚、もっと知ろう!触れよう!食べよう!うお学パノラマ編」というイベントを企画しました。お魚マイスターの川東繭右さんを講師に、日々キッチンに立つ主婦の方や、屋久島の魚のことをもっと知りたい方に向けたお魚講座を行い、パノラマの季節の魚を使ったスペシャルランチを提供しました。誰がどのように釣った魚なのか、どのような過程を経て食卓へとやってくるのかも伝え、魚に関わった人や自然を思い浮かべながら、料理を味わってもらいました。

 

屋久島ではこの数十年で漁獲量が大きく減少していると聞きます。海洋環境の変化、魚食離れ、魚価の低迷、漁師の高齢化、若い担い手不足など、漁業にまつわるさまざまな課題を耳にすることもあります。なので、ふくの木では1匹の魚の価値を高め、より特別に感じてもらうことを目的に魚をさばく体験をしてもらっています。魚という生き物の命をいただくからには、無駄なくおいしく楽しく調理して、味わい尽くしてもらいたい。料理人という仕事は、魚の価値を飛躍的に高める重要な仕事の1つだと思っています。 

 


これは余談ですが、年1回のうお泊の総会では、必ず一緒においしい魚を食べることにしています。時にはトシさんが調理したスペシャルお魚メニューが食べられることもあり、会員はこれを楽しみに団体に加入していると言っても過言ではありません。

 

うお泊では体験プログラムに参加してくれる方々だけで無く、私たち自身もおいしく楽しく活動を継続していくことを目標に掲げています。連携者、協力者は今後も増やしていきたいと考えていますので、私たちと一緒にやりたいことがある方はぜひ一度ご連絡ください。個性豊かな仲間と楽しく活動して、おいしい魚を食べましょう! 

 



編集後記


”美味しいもの”を食べると、つい人に話したくなるし、一緒に食べに行きたくなる。

なぜなんだろう?この日のイベントも同じ屋久島に住んではいるものの、初対面の方もいらっしゃいました。でも、不思議と美味しいお魚を、美味しいランチを食べ始めたら、みんな笑顔になり、会話が弾み、食事が終わる頃には、和気あいあいとした雰囲気がレストランパノラマに広がっていました。

 

美味しいものを食べた時の「共感」が不思議とそうさせるのかもしれません。そして、何よりも「泳いでいる魚が食卓にあがるまでのストーリー」を感じられたからこそ、豊かな時間となったのかもしれません。

 

これからもうお泊屋久島の活動を通して、日常の食卓にも豊かな時間を拡げていきたいと思います。

 

 

うお泊屋久島 編集長  ささっちょ
うお泊屋久島 編集長 ささっちょ


うお泊屋久島ってどんな団体?


うお泊(うおはく)とは?

うお=魚 + 泊=宿泊などの体験プログラム、また港を意味する

上記を組み合わせた造語です。

 

どんな仲間たちがいるの?

屋久島で魚を扱う事業者や、

海や川などの水辺で活動する事業者が主なメンバーです。

また鹿児島本土の事業者もいます。

漁師の暮らし体験宿ふくの木 

遊漁船さかなのもり/えびす丸 

(以下あいうえお順)

くんせい屋けい水産 

島結レーベル 

屋久島アウトドアガイド島結

屋久島シェアホステルみなと 

レストランパノラマ

NPO法人くすの木自然館 

 

わたしたちの活動が目指していることについて

この法人は、地域住民や来島者など幅広い層の人々に対し、泳いでいる魚が食卓にあがるまでのストーリーをおいしく・楽しく・分かりやすく伝えることで、魚を育て人々の暮らしを豊かにする自然環境を大切にする心を育み、生産者と消費者、海や魚と地域住民・旅人などを繋ぎ、双方が喜びを分かち合えるような社会をつくることを目指して活動をしています。

 

うお泊屋久島との協働・共催企画のご相談はお気軽にご連絡ください。