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うお泊屋久島モニターツアーレポートvol.03 【大学生・若者編】


楽しいだけではない!いのちと向き合う体験としての可能性


SDGsやサステナブル、環境問題に関心のある若者たちへ


うお泊屋久島のモニターツアーも第3弾までやってきました。今回は、大学生や20代の若者向けにうお泊屋久島体験をしてもらうとモニターツアーを企画しました。海と魚をテーマにした学びのある体験を提供してもらい、参加者がどんなことを感じてもらえるのか?やってみてもらおうというのが今回のモニターツアーの主旨です。

 

第1回につづき、コロナ禍の影響もあり、旅で訪れる大学生を集めることが色んな意味で難しいということで、屋久島の島内で20代の参加者を募り、ツアーを実施することになりました。今回、われわれうお泊屋久島が参加者としてターゲットにしたのが、SDGsやサステナブル、環境問題などに関心の高い若者でした。

 

今回は、屋久島で環境教育をしている施設のスタッフさんたちが参加してくれることになり、どんな反応が返ってくるか主催者としても楽しみなモニターツアーとなりました。

 

屋久島の漁業も近海で獲れる魚の量が少なくなってきているとも言われていて、環境問題と無縁というわけにはいきません。ましてや世界は海でひとつにつながっているので、屋久島のことも、日本のこと、世界のことも同時に考えていかなくていけません。まずは自分たちの地域、島の海をどう向き合っていくのか、これはうお泊屋久島の活動をする上でも大きな課題です。

 

モニターツアーがその解決の糸口になっていけたら…そんな想いで、今回も安房漁港に集合しました。

 

 

この日は、強風により出港すら危うい状況からのスタートでしたが、予報より風が強くならず、無事に釣りスポットの沖へ出ました。

今回は、20代の若者たちなので、釣りのレクチャーを済ませた後、各自お目当ての魚を釣るべく、釣り竿を垂らしていました。

 

しだいにお天気も回復していき、参加者の釣り竿に次々と引きが!

今回も一人1匹ずつ魚を釣り上げることができました。

いざ海を前に釣り竿を持つと、みなさん夢中になっていました。

 

魚の〆る作業もひとりずつ体験してもらいました。まさに生きものの命を向き合う体験がこの瞬間だと思います。ある参加者は、脳天締めを1発で仕留めたり、ほかの参加者はまだ威勢のいい魚に逃げられそうになったりと、参加者それぞれに食べる魚たちと対峙していました。

 

うお泊屋久島特別編:プロの料理人がさかなの3枚おろしを伝授

今回は、特別に屋久島の人気料理店・レストランパノラマのオーナーに魚の3枚おろしを伝授してもらいました。まずは、魚の切るときのまな板の扱い方からスタート。気持ちいいくらいきれいに魚が3枚におろされていきました。参加者メンバーもスマホを片手にじっと手さばきを見つめていました。わかりやすいデモンストレーションの後、ひとりひとり魚捌きに挑戦しました。日頃、環境問題などにも関心のある若者たちだったので、魚捌きを経験している人も多く、みんなきれいにさばいていました。

 

一足先に、モニターツアー夜の部の準備のため、レストランパノラマのトシさんは、本日の釣果を持ってお店へ戻りました。夜は、プロの料理人が振る舞う「うお泊屋久島スペシャルコース」を用意して待っていてくれる予定です。

 

捌いた魚は、お刺身にしてみんなで味わってもらいました。自分たちで釣った魚、そして自分たちで〆て、捌いたからこその感動体験となったようです。そして、魚の骨なども余すところなく食べるのが、うお泊屋久島流です。魚の骨やアラでだしをとり、潮汁も作ってもらいました。

 


魚を余すことなく食べ切る、命を頂くものとしての心得え

午後からは場所をさかな燻製屋「けい水産」へ移動して、体験は続きます。今回は、「火起こしからはじめる魚燻製体験」です。元漁師だった「けい水産」オーナーは、漁師の経験があったからこそ、獲った魚は余すことなく食べ切りたいとみんなに語りかけます。新鮮なうちに食べてあげたいけど、日が経てば魚は悪くなるし、魚はさばけないからと食べることができない人もいる。そんな中、長期の保存もできて、手軽に食べられる商品として、「けい水産」の魚燻製が生まれています。一次産業に魚の加工業が加わることで、その食べ方の多様性が広がっていき、魚の食シーンが豊かになっていきます。そんな役割を担っているのが、「けい水産」のような魚加工業なのです。

 

今回は、モニターツアーということで、予め燻製にする魚は用意しておいて、参加者には、火起こしと燻していく過程を楽しんでもらう体験となっていました。参加者も用意された各種燻製器からお気に入りのものを選び、火おこしを始めました。人間は、火を使える唯一の動物だけあって、みんな黙々と自分のレンガで作った窯に火を起こしていました。

 

桜の木のチップから出る燻煙で、飛魚とガランツを燻していきます。自分のお好みの燻し加減が選べるのが、この体験の面白いところ。やわらかい生っぽさを残した食感にするのか、硬めのハードタイプにするのか、他の人の燻製と見比べながら、マイ燻製作りに励んでいました。

 


「うお泊屋久島スペシャルコース」で魚の価値を高める

この日最後の体験は、レストランパノラマの「うお泊屋久島スペシャルディナーコース」食事体験です。

参加者が釣った魚でいわゆる美味しい魚や早く食べた方が美味しい魚は、魚捌き体験でお刺身としていただきました。一方で、今回釣った魚の中には、日ごろ安くて市場やスーパーに出回らない魚もありました。しかし、そんなお魚もプロの料理人にかかれば、美味しい体験へと変わっていきます。屋久島といえば、首折れサバ、トビウオ、アカバラ、アキタロウ、タルメなどが美味しくてよく知られた魚ですが、それ以外の魚も食べ方次第では、美味しく価値ある魚となる。そんな体験をしてもらおうと、レストランパノラマのトシさんが腕を振るってくれました。

 

遊漁船に乗って、魚を釣って、〆て、捌いて、燻製づくりまでフルコースを体験してきた参加者には身に染みるほどの旨さだったようで、みんな揃って舌鼓を打っていました。食材としての魚が持つ潜在能力を料理人が引き出すことにより、味覚を通して、海の多様性を知る体験となったのではないかと思います。

 

最後に、日ごろ、環境教育の現場で仕事をしている若者たちだけあって、モニタツアーに参加しての感想や意見は鋭いものがありました。ここでは詳しくは述べませんが、うお泊屋久島の体験がさらによくなるアドバイスであったことは間違いありません。これからも泳いでいる魚が食卓にあがるまでのストーリーをお届けしていきたいと思います。

 

うお泊屋久島の挑戦はつづく。

 


 

令和2・3年度 農山漁村振興交付金(農泊推進対策(農泊推進事業、人材活用事業))

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